[PR]

 試合後に審判委員が取材に応じるのはまれだが、それだけ特別な瞬間だった。

 「あの試合の映像がスコアボードに流れたでしょ。懐かしくてうれしかった」

 第1試合の球審として始球式の石井毅さん(57)をエスコートした堅田外司昭球審(56)はほほ笑んだ。2人は箕島と星稜で、第61回大会に延長十八回を投げ合った。

 「審判は担当する試合を公言できないので、心の中で楽しみにしていた」という堅田さん。仲のいい石井さんにも、自分が球審することを連絡しなかった。2003年から甲子園のグラウンドに立つ。今やベテランの審判委員だ。

 始球式の後、2人が握手をすると、拍手が起きた。「ありがたくてね。みんな覚えていてくれたんやなって」。作詞家の阿久悠さんが「最高試合」と評した一戦。「僕は審判として、毎試合が最高試合になって欲しいと思っている。今の子たちも審判や監督同士としてまた会うかもしれない。高校野球のいいところですよね」(編集委員・安藤嘉浩