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 延長十八回の熱闘から39年、両校のエースがそろって、6日、甲子園のマウンドに上がった。箕島(和歌山)OBの石井毅さん(57)=現姓名・木村竹志=が「甲子園レジェンド始球式」に登板し、星稜OBの堅田外司昭(かただとしあき)さん(56)が球審としてエスコートした。

 2人は第61回大会(1979年)の3回戦で延長十八回を投げ合った。堅田球審が「プレーボール」をかけると、横手ぎみに石井さんが外角低めにストレートを投げ込んだ。「甲子園のマウンドに立てるだけでも光栄なのに、堅田と一緒なんて夢のようです」。投球後には、がっちり握手を交わした。

 堅田さんは王貞治さん(78)が始球式をした3年前の開幕試合でも球審を務めた。「王さんは素晴らしいストライクやったで」と登板前に話しかけると、石井さんが「プレッシャーをかけるなよ」と苦笑いで応じる一幕もあった。

 名勝負の当事者たちも両エースの共演を見守った。「石井君は最後まで球威が落ちなかった」と懐かしんだのは球審をした永野元玄(もとはる)さん(82)。二塁塁審だった木嶋一黄(いっこう)さん(69)は今大会の審判幹事を務める。「あの堅田投手が今は審判委員のエース的な存在。感慨深いです」と喜んだ。

 星稜の山下智茂・元監督(73)は「石井くん、尾藤だ、尾藤!」と自らを指さしながら声援を送った。「第1日の松井秀喜は恩師として、今日の石井くんは箕島の尾藤公(ただし)監督(故人)の分も見届けさせてもらいました」。星稜のマネジャーだった谷村誠一郎さん(56)は前夜、当時の箕島野球部員らと石井さんを囲んだ。「両エースが頑張ってくれたおかげで同学年の交流が今も続いています」

 歴史に残る一戦は箕島が延長で2度も同点本塁打を放ち、十八回に4―3でサヨナラ勝ちした。(編集委員・安藤嘉浩

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