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 なぜ、母の「無償の愛」や「子どものための自己犠牲」は美談になりがちなのか――。その理由を追った「不道徳お母さん講座 私たちはなぜ母性と自己犠牲に感動するのか」(河出書房新社)が7月に出版されました。著者の堀越英美さん(45)は、「よき母」になろうとして苦しんだことがあるそうです。

 堀越さんには2人の小学生がいる。執筆のきっかけは自分の出産と育児だった。「まじめに『いい』とされるものをやってみました」。無痛分娩(ぶんべん)は親類に反対されたため、自然分娩(ぶんべん)に。母乳のために厳しく食事を管理し、授乳の間は子どもの顔をみつめ続けた。どれも育児雑誌などで推奨されていた。気が付いたら疲れ果て、「ぼろぼろになっていた」。推奨されていることの効果に、異議を唱える専門家がいることも知った。

 「世の中には『食べるだけでやせる』といった楽できることを強調する宣伝があふれている。苦労ばかりが推奨されるのは、母親の育児ぐらいです。自分も『そうしなければ』と信じ込まされてしまいました」。一つひとつ調べるうち、「日本人の道徳観念」に原点を見いだした。

 著書では、日本の道徳の歴史に…

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