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 韓国政府が今夏から、国内の韓国人被爆者を対象に実態調査を始めた。調査を主管する保健福祉省が明らかにした。韓国には日本統治時代に労働動員や生活の糧を求めて広島や長崎にいて被爆し、朝鮮半島に戻った人が約2300人生存しているが、韓国政府が調査に乗り出すのは初めて。

 韓国で2016年に成立した韓国人原爆被害者支援特別法に基づく措置。保健福祉相をトップにする委員会が、被爆者の所得水準や住まいの実態、健康状態などを主に面接方式で調査。今年中に分析を終え、今後の被爆者政策の土台にする。被爆者の子どもや孫も対象にするという。

 韓国在住の被爆者は戦後長い間、日本政府からも韓国政府からも支援を受けられず、健康不安に苦しんできた。日本兵として広島にいて被爆した郭貴勲(カクキフン)・韓国原爆被害者協会名誉会長(94)は「韓国ではかつて原爆投下を祖国解放と結びつける空気が強く、被爆者と名乗り出るのも難しかった」。ただ、日本政府は16年から在韓被爆者にも日本国内の被爆者と同じように医療費の支給を始め、韓国政府も支援すべきだとの声が高まりつつある。

 実態調査について韓国原爆被害者協会の李基烈(イギヨル)ソウル支部長(73)は「韓国社会の被爆者に対する偏見を解消する契機になれば」と期待する。(ソウル=武田肇)

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