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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画で、埋め立て承認の撤回に向け、沖縄県が沖縄防衛局から反論を聴く「聴聞」の期日の延期を防衛局が申し出た。これを県は認めず、通知通りに9日に実施すると決めた。翁長雄志(おながたけし)知事は、国が17日にも予定する土砂投入前の今月中旬に、撤回に踏み切る方針。

 県は6日夕、「申し出を認めることはできない」とする文書を防衛局に出した。先月31日には今月9日の聴聞の実施を通知。行政手続法は通知から実施まで「相当な期間をおいて」と定めており、文書には、県が決めた期日を「『相当な期間』として妥当と考える」と記した。この日午後には、市民ら約50人が県庁で「聴聞の延期を認めれば土砂投入前の撤回ができない恐れがある。認めてはダメだ」と訴えた。

 沖縄防衛局は聴聞の実施を「9月3日以降に変更してほしい」と3日に申し出た。通知から10日間程度での聴聞は、県が示した1300ページにのぼる資料を精査する期間が足りない、と主張している。

 一方で、移設工事は着々と進めている。2日には護岸が新たにつながり、完成した護岸に囲まれた海域が2カ所になった。本島北部の港では、埋め立て用土砂の船への積み込みが進んでいる。防衛局は、埋め立て承認が撤回されない限り、聴聞の手続きの期間中でも土砂投入を始める考えだ。

 県幹部は「聴聞の延期申請は時間稼ぎ」とみており、国と県との攻防が続く。(山下龍一)