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 東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に出席するため6日までの日程でシンガポールを訪れた北朝鮮外務省代表団に、目を引いた一人の女性がいた。李容浩(リヨンホ)外相の通訳だったが、代表団のなかでも目立つ扱いを受け、記者団の間でも注目が集まった。

 北朝鮮代表団は3日朝、シンガポールのホテルに二手に分かれて到着。第1陣は李外相を、第2陣は通訳の女性をそれぞれ中心にして移動した。代表団は4日、国際会議場からホテルに移動する際、黒塗りの乗用車2台とバスを使用。李外相が1番目の車、女性が2番目の車を、他の随行員はバスをそれぞれ使った。

 一方、シンガポール外務省は6日、バラクリシュナン外相が5日に主催した李外相との夕食会の写真を公開した。写真には、白系のスーツ姿で眼鏡をかけてほほえむ女性が両外相の間に写っており、李外相の通訳だったとわかった。

 脱北した元北朝鮮外交官によれば、北朝鮮では課長クラスが通訳を務めることがあるという。北朝鮮は過去、ARFに派遣する代表団を、外相や外務省国際機構局長、同局課長らで構成することが多く、この女性も課長クラス以上の人物だった可能性がある。

 北朝鮮では過去、崔善姫(チェソンヒ)外務次官が6者協議当時、金桂寛(キムゲグァン)外務次官らの通訳として活躍。崔永林(チェヨンリム)元首相の養女だった崔善姫氏は、金桂寛氏らの発言を意訳し、「謎の実力派通訳」と呼ばれたことがある。(ソウル=牧野愛博)