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 豪雨災害の被害を受けた岡山県倉敷市真備町で、お盆の供養を断念する寺や檀家(だんか)が相次いでいる。

 県仏教会によると、檀家の7割が被災した寺院もあり、寺院の一部は、被災した檀家への配慮などから供養の中止を決めた。

 同町有井の宝生院(ほうしょういん)では、寺は被災を免れたものの、約400軒の檀家のうち300軒以上が浸水した。石原澄明住職(35)は「自分からやりましょうとは言えなかった」と打ち明ける。要望があった家を除き、供養は中止。檀家の中には今年新盆を迎え、準備していたちょうちんなどが流されてしまった家もあったという。

 同町には自宅の庭先などに木の棚を設け、霊に食べ物などを供えてお経をあげる施餓鬼(せがき)供養の風習が今も残る。同町川辺の片岡和章さん(60)は施餓鬼供養をした。庭に置いていた棚が流されずに残っていた。片岡さんは「亡くなった人も大勢いる中で、せめてもの供養になれば」と石原住職に頼み、自宅の庭先でお経をあげた。

 被害を受けた寺もある。県仏教会真備支部によると、町内にある17寺院のうち、3寺院が浸水などの被害を受けた。源福寺(げんぷくじ、同町川辺)は平屋建ての本堂と庫裏(くり)が浸水。仏具一式も水につかり、供養そのものが出来なくなった。建物は元々、檀家らの寄付で建てられたが、今回は檀家の多くが被災し、寄付を頼める状況ではない。小谷典尚住職(34)は「いくら必要になるのか見当もつかない。来年の夏までに元通りになるかもわからない」と頭を抱える。(金子和史)