[PR]

 (7日、高校野球)

 高校時代と同じように大きく振りかぶった。高めの速球に捕手のミットが乾いた音をたてた。鹿児島実OBの定岡正二さんは「軽く投げようと思ったが、捕手と打者がいて力が入りましたねえ。高校の時の初戦の第1球と同じ初々しさ、みずみずしさを感じられてうれしかった」。

 第56回大会の準々決勝。延長十五回で東海大相模(神奈川)を破った試合は、今でも甲子園ベストゲームのひとつにあげられる。「相手が優勝候補で不安があった。でも、甲子園という場所が力を与えてくれた。何事にも勇気をもってトライすることを、あの試合で学ばせてもらった」

 母校の後輩たちが8日に同じ土を踏む。「その一瞬に青春を悔いなくぶつけて欲しい」とエールを送る。「笑顔と涙が甲子園を作っていると思う。悔しかったら泣いていい。大人になったら泣けないもの。勝った時には大きな笑顔で喜んでいい」。自身もこみ上げるものをぐっとこらえながら語っていた。(堀川貴弘)

こんなニュースも