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(9日、高校野球 横浜7―0愛産大三河)

 2人の左腕投手を軸に、3年連続で夏の甲子園へやってきた横浜。9日の初戦はエース板川佳矢君(3年)が愛産大三河(東愛知)に対して8回を投げ、4安打無失点。打っては先制の2点三塁打を放ち、初戦突破に貢献した。

 春夏通じて5度の優勝を誇る横浜。1年秋からエースナンバーを手にした板川君だが、中学に入るまではサッカー少年だった。

 幼い頃からサッカーに明け暮れ、大宮アルディージャのジュニアユースから声がかかるほどだった。しかし近所の先輩の誘いもあり、地元・栃木県の中学では軟式野球部に入部した。

 2年の冬、監督に勧められてマウンドから投げてみると「良いんじゃないか」。内野や外野を守っていたが、投手に転向。外野からのバックホームで鍛えたキレのある直球が武器に。そして、地元を離れて名門・横浜へ進んだ。

 硬球になじむのも早く、変化球もすぐに覚えた。だが壁にもぶつかった。昨夏の甲子園は救援登板したが初戦敗退。昨秋は県大会準々決勝で、八回に5四球で5失点し、コールドで敗れた。試合後、全体練習から外され、部員が監督に提出するノートには「プレーが軽い」「責任感が薄い」などと書かれた。

 板川君は「練習や行動で示すしかない」と、同じ左腕投手の及川(およかわ)雅貴君(2年)に投手陣の練習メニューをこっそり聞いて、倍の量に取り組んだ。年が明け、全体練習に復帰。以前のようにいらだつこともなくなり、周りに声をかけるまでに成長した。

 9日はエースの奮起に打線も応えた。3本塁打が飛び出し、投打がかみ合って快勝。100回目の夏に狙うのは、松坂大輔投手(中日)を擁して春夏連覇した1998年以来となる全国制覇だ。板川君は「期待に応えられるような結果を出したい」と力を込めた。(神宮司実玲)