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 がん細胞が免疫にかけているブレーキを解除して、免疫の攻撃力を取り戻す「免疫チェックポイント阻害剤(薬)」は、4年前に国内で最初に発売されて以降、種類も対象となるがんも増えた。一方、副作用が従来の抗がん剤と異なるため、患者や家族への注意喚起や、がん治療にかかわることの少なかった診療科との連携が重要になっている。

 東京在住の男性(81)は2016年12月、歯科の受診がきっかけで上あご歯肉に悪性黒色腫(皮膚がん)が見つかった。上あごを全摘する手術は体調などから難しいと判断され、都立駒込病院(東京都文京区)で免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」の治療を受けることになった。

 17年4月、入院して最初の点滴投与を受けた。男性は妻(74)と一緒に、起こる可能性がある副作用や副作用に伴う体調変化について詳しく教わった。2回目の投与からは外来で行うため、看護師らから「こんな症状が出たらすぐに病院に連絡して下さいね」と、息苦しさや発熱など20項目以上の体調変化を記録する手帳も渡された。

 2週間ごとの投与を13回受けた10月、治療前に真っ黒だった上あごの歯肉が肌色に戻った。が、妻は、夫の食欲が低下し、だるそうな顔をしているのが気になり、主治医の吉野公二・皮膚腫瘍(しゅよう)科部長に相談した。

 血圧や血糖値などを調整する副腎に障害が起き、副腎からホルモンが出なくなっていた。気づくのが早かったので重い症状には至らず、オプジーボの投与も1回休んだだけで継続できた。今もホルモン補充療法を続けながらオプジーボ投与も受けている。「2年前より体重が約4キロ増え、体調がいい」と男性は話す。

 従来の抗がん剤は種類によっては、がん細胞のほかに正常な細胞も攻撃してしまい、正常な細胞が傷ついて副作用が生じる。ただ、毛根や腸など傷ついた細胞の周期に応じて、3週目以降に脱毛など、いつどのような症状が起きるかほぼ予測できる。

 これに対し免疫チェックポイント阻害剤は、著しい効果を発揮するケースがある一方、従来にない形で副作用が生じることがある。免疫ががん以外の細胞も攻撃してしまい、自己免疫疾患のような症状が出る患者がいるのだ。

 「いつ、どこに、どんな障害が起きるのか予測が難しい。投与後1年以上経って起こることもある」と吉野さんは指摘。早期発見、早期治療が重要で、「患者さんや家族は体調の変化に敏感になってもらいたい」と訴える。

 日本で承認を受けた免疫チェッ…

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