[PR]

 第100回全国高校野球選手権記念大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)に初出場する三重代表の白山は大会7日目の11日、愛工大名電(西愛知)との初戦を控える。白山の選手は2日の抽選会から長いホテル生活に入っている。慣れない暮らしに戸惑いつつ、聖地に来たからこそ味わえる長期遠征を満喫しているようだ。

 甲子園入り後の環境は普段と大きく異なる。宿泊は兵庫県伊丹市のホテルで、床に畳を敷き、2人か3人が同部屋で寝泊まりする。

 高野連から割り当てられる練習は1日2時間と決まっている。7月25日の三重大会決勝から試合間隔が空く上、自由時間も多く、練習以外の過ごし方が勝利への大きなポイントだ。

 選手たちは、ある日は午前8時過ぎに朝食をとり、午前中は自由時間。午前11時に早めの昼食を取り、午後から練習した後、甲子園での試合観戦に充てた。何もない時間はひたすら睡眠を取ったり、ゲームをしたり、思い思いに過ごす。

 ホテルでは、選手の素顔が見られる。ある日、練習着が土まみれになった一塁手の有森紫苑(しおん)選手(3年)は「これ、こすらないとな」とつぶやいた。

 普段は母親に洗濯をしてもらっている。「洗剤を忘れたのでボディーソープで頑張っています」。ホテルの洗面台で泥を落とそうと必死に洗った。「全然落ちない」と苦戦しながらも歯ブラシを駆使し、「めっちゃきれいになったよ」と笑顔でルームメートの辻宏樹主将(3年)に自慢した。

 ホテルでもトレーニングは欠かさない。洗濯機がある地下駐車場では、洗い終わるのを待つ間、自主的に部員が集まって素振りやシャドーピッチングを行っている。「俺のかっこいいピッチングを見て」「このフォームは誰のまねでしょう」。練習とは違うリラックスした雰囲気だ。

 息抜きで、近くの銭湯へ行く日もあった。大浴場で部員らが大はしゃぎする様子が、隣の女湯にも伝わってきた。選手はロビーで利用客から「元気だね」「白山ってあの有名になっている学校?」と話しかけられていた。帰り道にはお菓子やアイスを購入。「さっぱりした」と笑顔でホテルに戻った。

 長いホテル暮らしが、少し退屈な部員もいるようだ。三重大会に出場し、甲子園ではメンバー外の水谷有太郎君(1年)は「毎晩洗濯して、朝早起きするのがつらい。最初はみんなと一緒に寝泊まりするのが楽しかったけど、正直飽きてきた」と話す。それでも「いつもよりたくさん寝る時間があるのがいいですね」と気持ちを切り替え、目をこすりながら朝食後に部屋に戻った。(甲斐江里子)