おれさまの海底城は戦闘機 屋久島沖の生態、物語に
屋久島通信員・武田剛
【動画】台風や外敵から漁礁を守るアザハタの姿は、お城の王様のようだ=高久至さん提供
「このおしろが、おれさまの王国だ」――。太平洋戦争中に鹿児島県の屋久島沖に沈んだ戦闘機の残骸を住み家にしている魚たちの姿を、9年にわたって追い続けた島在住の水中写真家、高久至さん(36)が今夏、写真絵本「アザハタ王と海底城」(アリス館)を出版した。台風や外敵から魚礁を守るハタの仲間のアザハタを「王様」に見立て、その生態を物語風に紹介している。
約10年前に屋久島に移住した高久さんは、毎日のように島周辺の海に潜り、1千種を超える生物を撮影。海中を浮遊するクラゲなどを紹介する児童向けの写真集「海のぷかぷか」(同)など、ユニークな作品づくりを続けている。
今回の絵本の主人公は、中型魚のアザハタ。屋久島沖に沈んでいる戦闘機「疾風」と見られる機体に集まる魚を観察するなか、魚礁をアザハタが守っていることに気付いたという。
物語は、無数の魚に囲まれた…