東京)避難誘導アートに落書き被害「命守る表示なのに」
前多健吾
東京・渋谷駅周辺で災害時に一時避難場所への道順を示す「矢印(アロー)」を芸術家に描いてもらう渋谷区のプロジェクトで、作品の一つが落書きの被害に遭った。いたずらされたのは東京芸術大学OBらが描いた作品で、制作者や区職員らが落書きを消した。参加者は「命を守る表示なのに」と憤っている。
区は昨夏、帰宅困難者対策として、地元商店会などとともに、矢印で避難場所へ誘導する「シブヤ・アロープロジェクト」を立ち上げた。人々の目を引き、外国人観光客にも分かりやすくするため、アーティストに協力を依頼して芸術的な矢印を制作した。現在3カ所にあり、区は今後、寄付などを募り、数百カ所に増やしたい考えだ。
今回、落書きされたのは神宮通公園そばで、山手線などが走るJR高架下の歩道脇の矢印。芸大OBや武蔵野美術大学の学生らが7月中旬から、もともとあった落書きを消してから、高さ約4メートル、幅約22メートルの壁に大きな矢印のある作品を描いていった。色彩豊かな現代風デザインに、通行人が絵を背景に記念撮影する様子も見られたという。
区には「芸術作品にすれば…