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 安倍晋三首相は9日午前、長崎市で開かれた平和祈念式典に参列した。安倍首相のあいさつは以下の通り。

 今から73年前の今日、1発の原子爆弾がここ長崎に投下され、7万ともいわれるあまたの貴い命が失われました。街は一瞬にして焦土と化し、一命をとりとめた方々にも、耐え難い苦難の日々をもたらしました。若者の夢や明るい未来が容赦なく奪われました。

 原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧げます。

 そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。

 長崎、広島の悲劇が再び繰り返されてはならない。唯一の戦争被爆国として「核兵器のない世界」の実現に向けて、粘り強く努力を重ねていくこと。それは我が国の使命です。

 近年、核軍縮の進め方について、各国の考え方の違いが顕在化しております。

 真に「核兵器のない世界」を実現するためには、被爆の悲惨な実相の正確な理解を出発点として、核兵器国と非核兵器国双方の協力を得ることが必要です。我が国は、非核三原則を堅持しつつ、粘り強く双方の橋渡しに努め、国際社会の取り組みを主導していく決意です。

 その具体的な取り組みとして、昨年立ち上げた「賢人会議」を、本年秋に、ここ長崎で開催予定です。「賢人会議」を通じて得られる知見も踏まえながら、核兵器不拡散条約(NPT)発効50周年となる2020年のNPT運用検討会議が意義あるものとなるよう、本日、ご出席頂いているグテーレス国連事務総長とも緊密に協力しつつ、積極的に貢献してまいります。

 また、「核兵器のない世界」の実現に向けて国際社会が一致して取り組むには、あの悲惨な体験の「記憶」を、世代や国境を越えて、人類が共有する「記憶」として継承していかなければなりません。長崎・広島を訪れる世界中の人々が、被爆の悲惨な実相に触れ、平和への決意を新たにする。若い世代が、被爆体験を語り継ぐ。唯一の戦争被爆国として、核兵器の非人道性を誰よりも深く知る我が国として、そうした取り組みをしっかりと進めていきます。

 被爆者の方々への援護施策については、保健、医療、福祉にわたる支援の必要性をしっかりと受け止め、被爆者の方々に寄り添いながら、今後とも、総合的に推進してまいります。特に、原爆症の認定について、引き続き、一日も早く結果をお知らせできるよう、できる限り迅速な審査を行ってまいります。

 結びに、永遠の平和が祈られ続けている、ここ長崎市において、「核兵器のない世界」と恒久平和の実現に向けて力を尽くすことをお誓い申し上げるとともに、原子爆弾の犠牲となられた方々のご冥福と、ご遺族、被爆者の皆様、並びに、参列者、長崎市民の皆様のご平安を祈念いたしまして、私のあいさつといたします。

 平成30年8月9日 内閣総理大臣 安倍晋三