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 死者・行方不明者が広島県内だけで100人を超える甚大な被害が出た西日本豪雨から1カ月が過ぎた。先月末、朝日新聞などのインタビューに応じた湯崎英彦知事に、これまでの取り組みや復興に向けた方針を聞いた。

 ――今回の災害についての受け止めを。

 災害に対する考え方を根本から覆すもので、(県内では)戦後最大級の災害と認識をしている。復旧復興に向け、国や市町と一体で、被災者の生活再建、インフラ復旧に全力で取り組んでいきたい。

 ――4年前に広島土砂災害があり、警戒区域の指定を急いできました。

 今年度中に基礎調査を終え、来年度には指定を終えるスケジュールでやってきた。基礎調査段階での公表や地元説明会、引っ越し時のハザードマップ配布など努力をしてきた。それでも多くの方が土砂災害で、しかも警戒区域内で亡くなった。

 情報があっても、避難行動につながっていない可能性があるのが大きな課題。ハード面の整備も進めるが、最後は避難をしてもらうことが必要で、かなり深く掘って考えていかないといけない。

 ――子どもたちへの支援の現状と今後は。

 (児童精神科医や臨床心理士らでつくる)こども支援チームを配置して、公衆衛生チームなどと連携しながら支援している。スクールカウンセラーも(避難所に)送っている。先生と子どもが顔をあわせられるよう郊外の施設で補習をするなど、地域や学校と連携して様々な形で学習、生活面のサポートをしている。

 2学期が始まるまでにJR西日本やバス協会と通学対策も進め、子どもたちが安心して勉強できるよう取り組んでいきたい。

 ――鉄道の復旧をどのように考えていますか。

 JRが発表した運転再開見込みを前倒しできれば。芸備線は長期間かかる見込みだが、橋が流れたところがあり、そこは河川改修とセットでやらないとできない。JRに対しては、鉄道施設災害復旧事業費補助という制度があり、国や県が補助する。この補助率の引き上げも国に求めており、早期に復旧できるようサポートしている。

 ――観光へのダメージについてどう考えますか。

 宿泊のキャンセルをはじめ、観光客が夏のピーク時に激減している。観光関連の事業者のほとんどは中小企業で、大きく影響を受ける事態になった。(宿泊を割り引く)「ふっこう割」のような(国の)仕組みで観光客を呼び戻したい。

 ――復興に向けて、どのように取り組みますか。

 まずは被災者の生活支援や、二次災害の発生防止という応急対策が最優先。中長期的な方向は、復旧復興プランとして9月上旬ごろ示したい。日常に戻ること、安心して暮らせる広島を取り戻すこと、さらに発展していくための基盤作りを(プランに)入れ込んでいく。(構成・北村浩貴)