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 国連トップとして初めて長崎の平和祈念式典に参列したグテーレス事務総長はあいさつで、核保有国が核兵器の近代化に巨額をつぎ込む一方、核軍縮は「プロセスが失速し、ほぼ停止している」と懸念を表明。核保有国に対して「核軍縮をリードする特別の責任がある」と強く訴えた。

 昨年、国連で採択された核兵器禁止条約は、核軍縮が進まない現状に対する「多くの国の不満」と指摘。すべての国に、核軍縮に全力で取り組み、緊急の問題として目に見える進歩を遂げるよう訴えた。

 「広島と長崎の原爆を生き延びた被爆者の方々は世界中で平和と軍縮の指導者になった」と称賛。「私たちはその声に耳を傾けなければならない」と呼びかけた。「私たちみんなで、この長崎を核兵器による惨害で苦しんだ地球最後の場所にするよう決意しましょう」と結んだ。

 式典に先立つ記者会見では、核禁条約に対する国連の姿勢として「全面的に支持し、発効することを望む」と述べた。核軍縮に後ろ向きな米国に対しては、「米国の決定は米国の決定だ。国連はできることを精いっぱいやっていく。国連がすべき役割を果たす」と強調した。

 2010年に当時の潘基文(パンギムン)事務総長が初めて広島の式典に参列したが、長崎の式典への参列はグテーレス氏が初めて。8日には田上富久・長崎市長と松井一実・広島市長や、被爆者団体の代表らと面談した。(山野健太郎)