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 スコアブックを読み込んで、勝敗を分けたポイントを読み解く戦評記事をすばやく書く――。そんなAI記者「おーとりぃ」が、朝日新聞社に誕生しました。いま、阪神甲子園球場で行われている第100回全国高校野球選手権記念大会の3回戦から、本格デビューします。

 AI記者「おーとりぃ」を開発したのは、朝日新聞社内の様々なシステムを構築する情報技術本部の研究開発チーム(ICTRAD)。今回は、昨夏まで米スタンフォード大に留学してプログラミングを学んだ40歳の開発リーダーが中心になったチームが取り組みました。この開発リーダーは「大相撲の力士の顔認識アプリ」など、「遊び心」を持ったシステム開発にもチャレンジしていて、今年に入って研究に乗り出したのが、高校野球の戦評記事を書くAI記者でした。

 まず、過去にスポーツ面、地域面に載った約8万の高校野球の戦評記事とイニングを組み合わせたデータをAI(人工知能)に覚えさせました。「このゲーム展開になったら、こういう戦評となることが多い」という傾向をAIに分析させ、記事を書けるようにしていったのです。

 具体的には、甲子園球場でスポーツ記者がパソコンで電子スコアブックを入力。これを「おーとりぃ」が読み込み、試合の特徴の中から注目したいプレーを選び出し、その組み合わせに見合った文を作り出します。

 一球一球に注目しているので、「初球を~」「フルカウントから~」といった表現も出てきます。チームの戦績も記録していくので、「今大会初の」や「2試合連続の」といったデータにも対応できるのです。

 たとえば今大会の1回戦の注目カードとなった大阪桐蔭―作新学院で「おーとりぃ」が書いた戦評は次の通り。

 大阪桐蔭が接戦を制した。二回1死三塁の場面で、山田の左犠飛で先制した。先発柿木は被安打6、無四球8奪三振1失点で完投。守備陣も無失策の堅守でもり立てた。作新学院は九回、沖の右前適時打で2点差に詰め寄ったが及ばなかった。

 劇的な幕切れとなった済美―星稜戦の戦評は次のようになりました。

 タイブレークまでもつれた打撃戦を済美が逆転サヨナラで制した。八回に6点差をひっくり返し、再びリードを奪われた十三回も矢野の満塁本塁打で逆転。星稜は一回に南保の右適時打で先行。十三回にも加点したが及ばなかった。

 実際のプレーは見ていませんので、ファインプレーや特大ホームラン、などの表現はできません。勝ち越しのシーンにこだわるため、一番盛り上がったシーンをはずすこともありますが、そこはご愛敬。開発リーダーは「記者に少しでも近づき、地方大会を含めた全試合のわかりやすい速報戦評を届けたい」と話します。大会を追うにつれ、「おーとりぃ」もどう成長していくか、楽しみにしてください。

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