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 英南部でロシアの元スパイらが神経剤で襲われたとされる3月の殺人未遂事件を受け、米政府は8日、ロシアに対する制裁を発表した。国家安全保障に関わる物品や技術のロシアとの取引を禁止する。制裁は議会への通告後、22日をめどに発動される。

 米国務省高官は「ロシアは国際法に反し、化学兵器か生物兵器を使用した」と批判した。制裁によって取引が禁止されるのは、電子集積回路や航空機用エンジンの関連装置など。ただ宇宙協力のほか、民間航空機の安全に関わるものは場合に応じて制裁から除外するという。また90日以内にロシアが化学・生物兵器を使用しないと確約し、国際機関の査察を受け入れなければ追加の制裁を発動するとしている。

 ロシアのペスコフ大統領報道官は9日、米国が明らかにした新たな制裁について記者団に、「絶対に容認できない」と語った。タス通信などが伝えた。

 ペスコフ氏は事件にロシア政府が関与したとの指摘に対し、「いかなる批判も完全に否定する」と強調。制裁について、「これまでのものも含め絶対的に違法で国際法に反する」とし、「我々は英国に共同捜査を提案したが、回答を得ていない」と述べた。ただ、「制裁がどのような規制を意図したものか公式には明らかになっていない」とも語り、今後ロシア側がとる対抗手段は明らかにしなかった。

 英当局は今回の事件で、旧ソ連で開発されたとされる神経剤「ノビチョク」が使用されたと認定した。報復措置として、英国など欧州各国は3月にロシアの外交官を国外追放し、米政府も米国駐在のロシア外交官60人を追放した。これにロシアも対抗し、報復合戦となっている。(ワシントン=杉山正、モスクワ=喜田尚)

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