[PR]

 夏の甲子園に2年連続出場の興南(沖縄)。9日の土浦日大(茨城)との試合で先発した投手は藤木琉悠君(3年)。昨夏は初戦の九回1死から登板しただけで敗退した。大舞台で先発したい……。そんな思いを糧に、この1年で背番号1をつけるまでに成長した。

 「今日、先発、だれなの」。この日の昼過ぎ。阪神甲子園球場の屋内練習場で、我喜屋監督が藤木君に話しかけた。「自分がいきます」。藤木君がすかさず、自信を持って答えた。

 沖縄大会準決勝以来のマウンドだったが、1万9千人の大観衆の前でも冷静だった。「意外といつも通りだな」。外角に変化球を織り交ぜながら制球よく投げ、三回まで三者凡退を続けた。七回に死球で招いた2死満塁のピンチも、相手打者から外角スライダーで三振を奪って切り抜けた。

 沖縄市の中学野球部の同級生4人と興南へ進学した。昨年、足のけがで冬の練習から離脱。それでも地道に調整を続けて復帰した。この夏、一度失った背番号1を再び勝ち取った。

 八回、安打と四球で無死満塁のピンチに。「任せた」とマウンドを後輩の宮城大弥(2年)に譲ったが、「何でピンチつくってるんすか」と毒づかれた。

 「前半は90点だけど、後半打たれたから、全部では50点」と藤木君。宮城君は中学時代に日本代表も経験したが「自分もいる。タイプが違うから、相手も照準を合わせにくいはず」。後半、球は高めに浮いた。「次まで時間が空くので、修正しておきます」

 昨夏の沖縄大会開幕後、よく一緒に野球を見ていた祖父を亡くした。「自分でゲームをつくって勝てたよ。次もがんばる」。1年越しに、そう報告するつもりだ。(宮野拓也)

こんなニュースも