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 宅配便最大手ヤマトホールディングス(HD)の子会社が法人顧客に引っ越しサービスの料金を過大請求した問題で、全128事業所の9割近くで各100件以上の過大請求が見つかり、全国的に不正が横行していたことが朝日新聞が入手した内部資料で分かった。組織的な不正だった疑いが強まった。国土交通省は行政処分など厳しい対応を視野に、経営陣の不正への関与の有無などを詳しく調べる。

 子会社ヤマトホームコンビニエンスの内部資料によると、同社の全国128事業所のうち123カ所で過大請求が見つかり、うち112カ所で各100件以上の過大請求があった。69カ所で各1千万円以上の返金が必要だと見積もっている。

 過大請求の総額は大宮支店(さいたま市)の5200万円が最高。淀川(大阪市、4973万円)、福岡(福岡市、4466万円)、仙台(仙台市、4377万円)、羽田(東京都大田区、3667万円)、名古屋北(愛知県一宮市、3638万円)の各支店が続く。これら6支店の過大請求は各1千件超にのぼる。

 国交省は9日午後、同社の本社(東京都中央区)に対し貨物自動車運送事業法に基づく立ち入り検査に入り、関係者から聞き取りなどをした。主に安全面を指導・監督する国交省が顧客との取引に関する調査に乗り出すのは異例だ。10日も千葉県内の支店などを調べる。ヤマトHDのこれまでの説明によると、2016年5月~18年6月、2640社に平均1割程度高い金額を請求し、計4万8千件で計約17億円を過大請求していた。同社の山内雅喜社長は「組織として指示したことはない」としているが、改めて詳しい説明が求められそうだ。

 同社の四国の法人営業支店長だった男性は7月27日に都内で記者会見し、「引っ越しの見積もりが意図的に過大だった。不正は10年ごろから組織的に行われていた」と証言。ヤマト側の説明は「正確でない」と批判していた。(伊藤嘉孝、石山英明)