今年の夏の高校野球は第100回の記念大会。1915(大正4)年に始まったが、戦争による中断を経験している。

 戦時下最後の夏の甲子園大会の外野席を観衆が埋め尽くした様子を、朝日新聞社はこのほど9枚の保存写真からパノラマ合成した。得点板に時局標語が掲げられる中で、試合が繰り広げられていた。

 現大会の前身となる1940(昭和15)年の第26回全国中等学校優勝野球大会は、翌年の27回大会が文部省次官通達によって地方大会の途中で中止されたため、戦時体制下の最後の全国大会となった。日中戦争は泥沼化し、英米との関係も悪化。「心身鍛錬」「聖戦完遂」の看板の下での開催だった。

 パノラマ画像は、40年8月17日に撮影された本社所蔵の9枚の記録写真をつなぎ合わせた。

 準々決勝で、前年優勝校の海草中(和歌山)と、強豪の京都商の対戦が始まろうとしていた。その様子は、当時の時代の雰囲気を色濃く伝える。

 試合は延長十二回に海草が4―3で勝ち越し、連覇を果たした。だが、大会の中断で同校は3連覇の夢を絶たれた。(編集委員・永井靖二)

【スライドショー】戦前・戦後、熱狂の高校野球100回 大会歌「栄冠は君に輝く」にのせて