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(10日、高校野球 木更津総合10―1敦賀気比)

 見ているだけで気持ちのいい選手はいるものだ。

 敦賀気比の黒田響生(ひびき)はチェンジになると、たいてい真っ先にベンチから飛び出す。ショートの守備位置につくと足元をならし、帽子をとって軽く一礼する。

 「グラウンドとボールと自分が一つになって、いいプレーができると思う。感謝の気持ちとして、1年生のころから続けています」

 入学直後からレギュラーになったが、強豪校にあっても甲子園は遠かった。最後の夏にたどり着いた大舞台。しかし、六回表に大量失点をしてしまった。

 それでも走者が通った後の土をならし、捕手が投手に返球する際のカバーリングも怠らない。「バントがあるよ」「集中していこうよ」。仲間に声をかけることも忘れなかった。

 「当たり前のことは、誰にでもできる。たとえ負けていても、最後までやろうと決めていました」

 黒田響は六回裏に右前安打で出塁し、チーム唯一の本塁生還も果たした。野球の神様はちゃんと見ていた。(編集委員・安藤嘉浩

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