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 東京医科大の不正入試問題を受け、文科省は10日、全国の医学部医学科に対する緊急調査を始めた。対象は国公私立の計81大学で、男女の合格率の違いや、受験生によって合否判定で扱いに差があるかなどについて、24日までの回答を求めている。男女別の合格率はこれまで、公表していない大学が多い。

 調査は過去6年分の入試が対象で、男女別の年齢別の受験者数、合格者数、合格率、募集要項にない特別な加点や性別や年齢による扱いの差異がないかを問う。「ない」と答えた場合は、正当な手続きだと示せる資料があるかも尋ねる。

 東京医科大では一部の受験生の点数を加算していたことや、女子や3浪以上の男子が一律に不利となる得点操作をしていたことが明らかになった。林芳正文科相は10日の会見で、医学分野では志願者に占める入学者の割合で男子が女子を上回っていると指摘し、「他の医学部でも同様の事態がある可能性が指摘されている」と述べた。

 大学ジャーナリストの石渡嶺司さんが昨年の医学科の入学者数を調べたところ、計44大学で男女比に30ポイント以上の差があった。ただ、多くの大学は男女別の志願者数などを公表しておらず、詳細な検証はできないという。石渡さんは「女性差別がないのであれば、各大学は男女別データを全て公表すべきだ。文科省は徹底的に調査して欲しい」と語る。

 男女別のデータを公開している大学もある。東海地方のある私立医大の今年度の一般入試の合格率は男子が12・3%、女子が10・3%で2ポイントの差があった。入試担当者は「得点操作はあってはならないし、一切やっていない」と話す。関東地方の私立医大では、一般入試の受験者の男女比は56対44だったが、合格者は77対23で、男子の合格率は女子の倍以上だった。この大学は朝日新聞に「入試担当者が不在のため、対応できない」とコメントした。

被害者救済求め、要望書

 東京医科大が入試で女子の得点を一律に減点していた問題で、「東京医大等入試差別当事者と支援者の会」は10日、被害者救済についての具体策の説明と迅速な対応を求める要望書を、文部科学省に提出した。林芳正文科相あてで、17日までの回答を求めている。

 同会は9日に発足し、3人の女子受験生と約50人の弁護士らが参加している。要望書ではさらに、他大学の医学部入試についても、過去の不正の有無と同省の対応の例示などを求めている。

 10日は、超党派の議員らが東京・永田町で緊急院内集会を開催。東京医科大を受験し、他大学に通う女子学生が「受験生はものじゃありません。すべての点数を開示してほしい」と訴えるメッセージが読み上げられた。出席した文科省の担当者は、医学部調査の結果について、大学名も公表することを明らかにした。