台風西進、猛暑、豪雨は「異常気象の連鎖」 気象庁見解
専門家でつくる気象庁の異常気象分析検討会は10日、7月の西日本豪雨と「災害級」とされた猛暑を受けて臨時会を開き、梅雨明けが早かったことや台風12号の西進なども含めて、「異常気象の連鎖だ」との見解を示した。
西日本豪雨では、7月の月降水量が平年値の2~4倍となるところがあるなど、前例がないほどの降水量になった。西日本付近で、発達したオホーツク海高気圧と太平洋高気圧の間で梅雨前線が長期間停滞し、さらに多量の水蒸気が南から流れ込んだことが主な要因だった。
7月は埼玉県熊谷市で国内の観測史上最高となる41・1度を観測し、東日本では月平均気温が7月として最高になった。太平洋高気圧とチベット高気圧が日本の上空で重なり続けたためという。
いずれも気候的な背景として、上層のジェット気流の蛇行が続いたほか、地球温暖化に伴う気温の上昇と大気中の水蒸気量の増加も関連しているという。
東京大先端科学技術研究センター教授の中村尚・検討会長は臨時会後の記者会見で、関東甲信地方が観測史上初めて6月に梅雨明けしたことや、台風12号が東から西へ列島を横断する異例のコースをとったことも含めて「互いに関連している。一連の連鎖と考えるべきだ」とした。
また、気候変動や地球温暖化の状況から、同様の猛暑や豪雨について「今後も起こりうる。備えはますます必要になる」と注意を呼びかけた。(山岸玲)
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