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医の手帳 脱水症(3)

 脱水症は水分の摂取が減ること、あるいは水分の喪失が増えることで急激に体の水分が失われた状態であり、その結果、体調不良を来します。原因は熱中症、下痢など様々です。体の水分が少なくなると、軽度な場合は口が乾いて水分を欲するため、脱水症を予防できることが多いです。一方、急な水分の喪失や、水分がとりにくい状態であると脱水症を生じます。

 脱水症の治療は失われた水分や電解質を補充することです。自分で水分がとれる場合は、飲水をして対応します。水分だけやスポーツ飲料のみなど、偏った飲水での補充は電解質異常を来す危険もあるため、補充をしても体調がすぐれない場合は医療機関の受診をお勧めします。

 また自分で水分がとれないくらい具合がすぐれない場合や、脱水の進行が急速な場合は医療機関で輸液を行います。病院では理学所見、血液・尿検査、画像から不足している水分量と電解質量を考え補液の種類と量を選択します。例えば熱中症が原因であれば水分の他ナトリウム、下痢が原因であればカリウムの補充も重要になります。症状の緩和、血圧の安定、検査値の改善、十分な尿量などを確認して治療を終了します。

 脱水症が重度になると腎臓、肝臓などの臓器障害を合併する危険もあり、長期の入院が必要となる場合があります。そのため、重度になる前に医療機関を受診し、治療、アドバイスを受けることをお勧めします。

 介護の必要な高齢者は、水分の不足を感じることが不得手であったり、自身で水分を摂取しにくかったりする方が多いです。そのような方々は、暑い中あるいは感冒などをきっかけに容易に脱水症を来しやすいため、在宅医療をサポートしてくれるスタッフと協力して早期発見のうえ対応してほしいです。

<アピタル:医の手帳>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/(新潟大学医歯学総合病院血液浄化療法部・山本卓准教授)