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(11日、高校野球 レジェンド始球式)

 ゆったりと振りかぶるフォームは高校時代と同じだった。池田(徳島)OBの水野雄仁さんが、低めへのストライク投球で歓声を浴びた。「高校の時の気持ちで投げました。甲子園の雰囲気は僕らの頃と変わりません」と話し、余韻に浸った。

 2年生だった1982年夏、初めて聖地の土を踏んだ。開会式では球場の大きさに圧倒されたが、試合に入れば無心だった。「やまびこ打線」の中軸としてその大会を制し、3年春の選抜大会でも優勝。史上初の3季連続優勝がかかり、注目を集めた3年夏は重圧との戦い。準決勝でPL学園(大阪)に敗れた時は「悔しさよりも、ホッとした気持ちがありました」。

 高校時代の蔦(つた)文也監督(故人)の口癖の一つが「人生は敗者復活戦」。負けても立ち上がり、次の戦いに臨むべきだという意味だ。プロ野球・巨人での現役時代や引退後も、水野さんはその言葉を大切にしてきた。「今日は蔦監督とともに投げようと思ったんです」。天国の恩師に向けた始球式でもあった。(伊藤雅哉)

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