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 電子機器の対戦型ゲームで競う「eスポーツ」が、ジャカルタで開催中のアジア競技大会で初めて公開競技として行われている。世界で億単位の競技人口がいると言われ、日本でも部活動を含めた学校現場への普及が図られ始めている。一方で、スポーツ性への疑問やゲーム障害の懸念も論議される。

 普段はバスケットボールなどが行われるジャカルタのアリーナ。26日に始まったeスポーツの会場は色とりどりの照明や派手な音響で飾られた。大型モニターに映し出された戦闘ゲームの状況をアナウンサーが実況。好プレーが出る度に目の肥えた観客から歓声が上がった。

 18カ国・地域から135選手が参加。日本からは予選を突破した3人が出場する。最年少の高校生、相原翼(18)は「一番いい色のメダルを持ってきて、eスポーツの魅力を伝えたい」と意気込みを語る。

 今大会では、相原が杉村直紀(21)と出るサッカーゲーム「ウイニングイレブン」、赤坂哲郎(23)が出るカードゲーム「ハースストーン」など6種目が行われる。

 五輪関係組織として初の試みに、アジア・オリンピック評議会(OCA)のアハマド会長は「五輪の将来像を示す、新たな始まりだ」と誇らしげに言う。

 eスポーツは世界のスポーツ界にとって、無視できない存在となっている。

 国際オリンピック委員会(IOC)などは7月21日、スイス・ローザンヌの五輪博物館でeスポーツ選手や関係者を招いたフォーラムを開催した。若者のスポーツ離れを食い止めるため、若年層に訴求力を持つeスポーツとの連携を模索する試みだ。IOCのバッハ会長はeスポーツ選手と対談したり、実際の試合を視察したりした。

 eスポーツの海外市場は現在約700億円で、米金融大手ゴールドマンサックスの調査では2022年までに市場規模が約30億ドル(約3300億円)に達する。IOCの最上位スポンサーである米半導体大手のインテルも今年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪前に会場近くでイベントを開いた。米4大スポーツのプロリーグはeスポーツチームの結成などを発表し、国際サッカー連盟は今月、eW杯を開催。アジアでもその市場性の高さから国が普及を支援する中国、韓国を筆頭に広がっている。

 日本でも今年2月に統括組織「日本eスポーツ連合」が発足。浜村弘一副会長は「優れた技術とタフな集中力を争う競技性はスポーツだ」と主張し、119の選手・チームにプロライセンスを発行するなど体制を整え、日本オリンピック委員会(JOC)加盟を目指している。19年秋の茨城国体では文化プログラムとしてeスポーツが導入される。

「外で遊ぶ子を減らさないか」

 ただ、IOC内でも「ゲームはスポーツなのか」という懐疑論は根強い。IOCのバッハ会長は7月のフォーラム前日、24年パリ五輪での競技採用について慎重な姿勢を示し、「(eスポーツ側と)互いを理解することが大事」と繰り返した。国際柔道連盟のビゼール会長は「リアルスポーツと分けて考えるべきだ」。JOC幹部も「時代とともにスポーツの定義は変わるものだが、慎重な議論は必要だ」と話す。

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