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 「アゲアゲホイホイ!」

 2―2の同点で迎えた八回表1死三塁。8年ぶりの夏出場をかなえた報徳学園(東兵庫)の一塁側アルプス席で、応援団がリズミカルに両手を上下させて叫んだ。長尾亮弥(りょうや)君(3年)が決勝点となる勝ち越し打を放つと、地鳴りのような大歓声が球場を包んだ。

 この応援は同校が発祥。2014年夏、野球部で応援の指導役をしていた玄之内大(げんのうちだい)さん(22)=流通科学大4年=がラテン系の曲「サンバ・デ・ジャネイロ」に合いの手を入れた。テンションが「アゲアゲ」で、点を「ホイホイ」取れる掛け声という。ノリの良さで「アゲホイ」の通称とともに広まった。今大会でも近大付(南大阪)、沖学園(南福岡)など各校が応援に取り入れている。

 ただ、報徳学園の応援団長を務めた野球部の竹口拓輝(ひろき)君(3年)は「他校とは違う重みがある。ここぞという時にスタンド全体を巻き込む」と「元祖」のプライドをのぞかせた。強豪の聖光学院(福島)に競り勝ち、まず1勝。一緒に見守った玄之内さんは「今後も切り札として大事に使って欲しい。不敗神話ができるほどに」と喜んだ。

 実は甲子園でアゲホイを初めて披露したのは、前の試合に登場した明石商(西兵庫)だ。15年夏の兵庫大会準々決勝で報徳学園に勝った際に「代わりに甲子園でとどろかせてくれ」と託された後、翌年春の選抜大会に出て約束を果たした。

 悲願の夏初出場となった明石商はこの日、八戸学院光星(青森)に8―9で惜敗したが、一時は6点差から追いつく猛攻を見せた。その時流れたのもアゲホイ。

 2安打を放った植田貴紗羅(きさら)君(3年)は「球場がすごい雰囲気になって、いけると思った」。手拍子が球場全体を巻きこんだ。「打席でもよく聞こえていた。憧れの甲子園は想像よりすごい場所だった。こんな経験はもうできないと思う」と晴れやかな表情を見せた。(秋山惣一郎、飯島啓史)