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(12日、高校野球 二松学舎大付5-2広陵)

 名前が名前だけに、二松学舎大付の1番・右打者の右田は、こんなことを言われて育ってきた。「右田なんだから、右打ちを練習しろ」。小学生の時からずっと。体勢を崩されて右方向に打たされるのではなく、腰を入れて強くたたく。それが極意。一回、広陵のエース、森悠の直球を右前にはじき返した。そして、同点の七回だ。

 先頭の有馬が右前安打で出塁し、犠打野選などを経て1死二、三塁で打席が回ってきた。一回の右前安打以降は、2打席凡退。「速くてインコースは打てない。中を狙っていた」と右田。初球、高めの直球に反応した。打球が一、二塁間を抜けると、右拳を突き出して一塁へ駆ける。走者2人が生還し、勝ち越した。

 対戦が決まったのは、10日前の2日。備える時間は存分にあった。森悠は140キロ台後半の直球を投げ込んでくる。そこで、練習は3段階。打撃マシンの球速を155キロに設定して、目をならす。次に150キロを打つ。速い球に対するとスイングの始動が早くなって肩が開きがちになるので、仕上げに緩いボールを打って、フォームを整えた。

 先制した一回の後は、六回まで1安打に抑えられていた。「森悠君はボールに力があり、もう点が取れないんじゃないかと思っていたが、当てにいくバッティングはしないと練習してきたので」と市原監督。右田個人が積み上げた努力とチームとしての準備が、昨夏の準優勝校を破っての初戦突破に結びついた。(山下弘展)

 ○市原監督(二) 「もつれるゲームは今までたくさんやってきた。接戦に強い、と錯覚しているようなところもある。うちらしい試合ができた」

 ○山田(二) 2投手をリードし、好走塁もみせた1年生。「大勢のお客さんの前で緊張したけれど、先輩たちが励ましてくれて思い切りできました」

 ○岸川(二) 四回途中から好救援。「強気に攻めることを意識した。リリーフで投げることが多いので、流れを引き寄せることが僕の使命です」