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(12日、高校野球 済美13―11星稜)

 済美は試合前半の劣勢をはね返し、満塁本塁打でサヨナラ勝ち。済美の応援団が陣取った三塁側アルプス席からは勝利の瞬間、歓喜の声がわき上がった。

 一回に5点を失った序盤。アルプス席の最後列では、応援団員の井上真平さん(2年)が高さ約2メートルの校旗を風になびかせ、「焦らず1点ずつ取って」と遠くを見つめていた。

 真っ赤なTシャツを着て手作りのポンポンを振っていたのは、主将で4番の池内優一君(3年)の妹・七帆さん(7)。「お兄ちゃん、きっと逆転できる。がんばれ!」。八回裏、池内君は甲子園初安打が適時打となり、3―7に。その後も点が入って流れが済美に傾き、政吉完哉君(3年)の3点本塁打で逆転。スタンドにいた生徒も卒業生も立ち上がり、メガホンを打ち合って喜んだ。八回裏が終わると、球場全体から大きな拍手が起こった。

 九回表に同点に追いつかれ、試合は延長戦に。「がんばれー!」と叫び声が飛び交う中、目に涙を浮かべて祈るように手を握る人もいた。八回裏に死球を受けた後もマウンドに上がり続けるエース山口直哉君(3年)を、父の雅弘さん(51)は「味方の援護があるから大丈夫」と見守った。

 2点を追う十三回裏。無死満塁で矢野功一郎君(3年)が右翼ポール直撃の本塁打を放った。済美の応援団は一瞬静かになり、サヨナラ勝ちを喜ぶ叫び声であふれた。ブラスバンド席で演奏に加わっていた一塁手の伊藤駿吾君(3年)の母・荘子さん(49)は「全員の力で勝てたと思います」。池内君の母・祐子さん(47)は「ナイスゲーム!」と手に持っていた千羽鶴の束を握りしめた。(村上綾)