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 大会第9日の13日、高岡商は兵庫県西宮市の阪神甲子園球場であった2回戦で佐久長聖(長野)を5―4で破った。1回戦に続く勝利で、高岡商が甲子園で2勝するのは春夏通じて初めて。3回戦は春夏連覇を狙う大阪桐蔭(北大阪)と、大会第12日の16日に第4試合で対戦する予定。

福島の祖父母に勇気を 鞍田新選手

 この日、二回の第2打席で、鞍田新選手(3年)が甘く入った直球をたたくと打球は左翼へ。甲子園で初めての安打となる二塁打はチームの3点目につながった。攻守で勝利に貢献した鞍田選手は「自分たちの野球を福島の親戚や祖父母に見てもらい、勇気づけたい」との思いを胸にプレーしている。

 父・玄(くろし)さん(53)は福島県いわき市の出身。祖父母は今も、いわき市にいる。

 7年前、東日本大震災が起きると、祖父母が富山に避難してきた。祖父母は「大変だったよ」と言いながら、優しく笑っていた。小学生だった鞍田選手は「何もなかったんだ」とホッとしたが、今思えば「心配させないため、明るく振る舞っていたのだろう」。

 震災翌年の正月、祖父母宅に行くと、近所の家の瓦は崩れ落ち、アスファルトの地面もところどころ隆起していた。「自分が避難する側だったら、すごく怖かったと思う」という。

 大変な思いをしながら、自分たちを気遣ってくれた祖父母は高齢だが、富山大会にはいわき市から応援に来てくれた。甲子園出場が決まると、とても喜んでくれた。

 鞍田選手は大きな自然災害に遭った経験はない。しかし、祖父母のことや、7月の西日本の豪雨災害の被災者のことを思うと、今、野球ができることは決して当たり前のことではないと考える。

 祖父母に対して「あんまり大げさに言えないけど、ちょっとでも寄り添う気持ちを持っていたい」と話す鞍田選手。テレビで高岡商の勝利を見て「じいちゃん、ばあちゃんも喜んでくれていたらうれしい」と笑顔を浮かべた。(高億翔)

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