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 東京五輪・パラリンピックが開催される2020年、全国高校総体(インターハイ)で一部競技の開催が危ぶまれている。あと2年だが、体操(新体操を除く)、柔道、ボート、ボクシングの4競技で開催地が未定。最悪の場合、中止となる可能性もあり、関係者に危機感が高まっている。

 「2020年夏季インターハイ 開催危機!!」。東海地方を中心に開かれている今年の高校総体のパンフレットに、そんな言葉が載った。全国高校体育連盟(高体連)が設けた「2020インターハイ特別基金」の広告だ。

 20年高校総体は群馬、栃木、茨城、埼玉の北関東4県で開催される予定だった。13年、東京五輪・パラリンピックの開催が決まり、事情が急変。選手や指導者など約3万6千人の宿泊先確保が困難になったことなどから、全30競技中19競技を北関東以外で開催することになった。

 高体連は16年末までに全競技の開催地を決める予定だったが、自治体との交渉は難航。平均で1競技4千万円ほどかかる開催経費が最大のネックだった。

 開催を引き受けてもらうため、高体連は開催地の経費負担ゼロを目指し、16年に特別基金を設置。ただ、今年7月末現在で集まった額は3364万円と、目標の7億円の5%にも満たない厳しい状況だ。

 現在までに開催のめどがついたのは15競技。体操(新体操を除く)、柔道、ボート、ボクシングは未定だ。準備期間を考慮すると、今年度中に決まらない競技は中止にせざるを得ないという。

 高体連柔道専門部の幹部は「交渉はしているが、最悪の場合も考えられる。五輪があるからインターハイはできないというのは、一生懸命やっている生徒への説明にならない」と話す。

 各競技で、試合方式の一部を変更して開催期間を短くしたり、審判員を近隣から集めて交通費を浮かしたりするなど、経費削減を試みている。一部では選手の参加費の増額も検討されている。ただ、経費の問題はクリアしても、「パラリンピックのキャンプ地になる」という理由で内定目前で断られた競技もあったという。高体連の奈良隆専務理事は「高校総体は高校生にとっては大事な大会。少しでも早く開催を決めたい」と話している。(菅沼遼)