[PR]

 群馬県の防災ヘリコプター「はるな」が同県中之条町の山林に墜落し、9人が死亡した事故で、緊急時に遭難信号を自動的に発信する「航空機用救命無線機」(ELT)が作動していなかった可能性があることが、関係者への取材でわかった。作動していれば、捜索や救助活動をより早く始められた可能性がある。県警や国の運輸安全委員会などがELTの作動状況を調べている。

 県によると、ヘリには1997年の就航時からELTが搭載され、昨年10月~今年3月末の大規模点検でも異常はなかったという。

 県がヘリの異常を把握したのは、ヘリの位置情報を記録する「動態管理システム」の通信が10日午前10時1分に途絶えてから約40分後。午前11時48分に県警航空隊に捜索を依頼し、県警のヘリが離陸したのは午後0時50分だった。県はこの間に国土交通省航空局に問い合わせ、遭難信号は未受信との回答を受けたという。

 国交省によると、墜落の衝撃でELTのアンテナなどが破損したり、谷間や海中に墜落したりすると、付近の航空機や上空の人工衛星まで電波が届かない可能性があるという。(加藤修)