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(14日、高校野球 横浜8―6花咲徳栄)

 100回目の夏、甲子園連覇に挑んだ花咲徳栄(北埼玉)。14日にあった横浜(南神奈川)との2回戦は前半に大量リードを許し、2本塁打を放つなど反撃を見せたが、及ばなかった。

 九回裏、花咲徳栄は2点を返し、2点差まで迫った。さらに2死満塁。左翼手で主将の杉本直希君(3年)が伝令へ。「お前のスイングをしてこい」。1回戦で逆転打を放った井上朋也君(1年)に告げた。

 杉本君が主将に就いたのは約2カ月半前。「自分でいいのか」という不安や162人の大所帯をまとめる重責、そして連覇への重圧がのしかかった。

 「野村の負担を軽くしてやってくれ」。5月下旬、岩井隆監督(48)に告げられた。当時の主将は、エースで4番の野村佑希君(3年)。監督は杉本君の「勝ちたい」という気持ちの強さや、冷静に物事を考えられる点を評価。野村君も杉本君なら託せると思った。

 おとなしい性格だと自覚していた。そんな思いを見透かされたように監督から「キャプテンが強く言えなければダメだ」と何度も言われた。4年続けての甲子園出場と、2年連続の全国制覇がかかっている。

 「厳しく言えないと、どこかで甘えが出る」。気持ちを切り替えた。「間の抜けたプレーをするな」などと練習や試合中、ミスをした仲間に強い言葉を投げかけるようになった。

 この日の優勝候補・横浜との一戦、野村君が早々と攻略された。それでも九回は一打逆転サヨナラの場面まで追い上げた。井上君は最後の一球、主将の助言通り、強振。しかしバットは空を切った。

 試合を終え、杉本君は涙が止まらなかった。重圧や不安との戦いも幕を閉じた。「情けないキャプテンだったけど、みんなのおかげでここまで来た。ありがとう」(高絢実)

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