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 旧日本軍の慰安婦だった韓国人女性が1991年に初めて実名で体験を公表した日にあたる14日、台湾南部の台南市に台湾で初めての慰安婦像が設置された。野党国民党の前総統の馬英九(マーインチウ)氏が除幕式に参列し、日本政府に対し、「正式な賠償と謝罪」を訴えた。

 台南市の繁華街に設置された像は、高さ約160センチの少女像。両手を上げて抵抗する姿をかたどっている。国民党の支援を受けて今春結成された団体「台南市慰安婦人権平等促進協会」が、寄付を呼びかけた。中国語と日本語、英語、ハングルで「慰安婦の悲惨な歴史を忘れず、彼女たちに尊敬と支持の意を示す」などと記した解説板を掲げている。

 国民党の地元支部が土地を提供した。式典には、今秋の統一地方選挙で台南市長選に立候補する国民党の候補予定者も参列した。馬氏は式典で、現在の与党民進党政権は、慰安婦問題など日本統治時代の歴史の検証に消極的だと批判。選挙を意識して有権者にアピールする狙いもあるとみられる。

 第2次大戦中、日本の植民地統治下にあった台湾の女性たちも慰安婦として動員された。台湾の人権団体が20年以上前に行った調査で、当時58人の生存者が確認された。高齢化が進んだ結果、現在は2人のみとなっている。

 台北市内でも14日、元慰安婦を支援してきた女性人権団体などが、日本の大使館に相当する日本台湾交流協会の台北事務所を訪れ、謝罪や賠償を求める抗議文書を提出した。(台南=西本秀