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 紀伊半島の最南端・潮岬から海沿いに約40キロの和歌山県すさみ町。小さな漁師町にある持宝(じほう)寺で2月末、檀家(だんか)十数人と和歌山市の高校生ら計10人が集まり、仏像の開眼法要が行われた。

 本尊の阿弥陀三尊像(あみださんぞんぞう、南北朝時代)に代わり、プラスチック樹脂製の複製(レプリカ)が奉納された。県立和歌山工業高・産業デザイン科の生徒7人が3Dプリンターで半年かけて製作。頭髪など細部まで忠実に再現した。和歌山大で美術を専攻する3人がアクリル絵の具で着色。みんなボランティアだ。

 盗難や津波の被害を避けるため、実物は県立博物館(和歌山市)で保管される。当時、同高3年の四元希亜来(きあら)さん(18)は「地域の方に、ありがとうと言ってもらえてうれしかった。自分の作った仏像が拝まれるなんて不思議な感覚です」と話した。

 約300戸ある檀家の総代長を務める岩田幸男さん(79)は「レプリカで大丈夫かなと思ったけど、どっちが本物かわからない、すばらしい出来だった。後世に伝えていけるように頼んだかいがあった」。

 すさみ町の高齢化率は46・8%で、全国平均の28%を大幅に上回る(いずれも5月現在)。県内では仏像の盗難も多発している。奥田良哉(りょうさい)住職(71)は「昔から伝わる本尊を寺に置き続けたい気持ちは私も檀家さんも同じ。だが将来を考えれば、ここで守るのは難しい」と話す。

後世に継ぐべき文化財の散逸が次々と判明しています。地域では過疎化や高齢化が進み、自治体も余裕がありません。文化財を守るためにどうすればよいのかを考え、随時掲載していきます。

 国の重文「木造地蔵菩薩坐像(…

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