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 信仰の対象や地域の宝として守られてきた文化財が次々と盗難被害に遭っている。人気のない寺で仏像盗を繰り返した男性の足取りをたどると、高値で取引するマーケットの存在が浮かんだ。盗難の被害を回復するには高い壁もある。

 「古美術で一番人気の仏像の需要はいくらでもある。だーっと取ってくるだけ。30体は盗んだ」

 窃盗犯だった静岡県焼津市の60代男性は5月下旬、取材に語った。県内の寺から仏像5体を盗んだとして、2009年に有罪判決を受けた。公判で余罪も認めた。

 最も値打ちがあったのが島田市指定文化財の千手観音像だという。08年5月の昼、山間部の寺の錠を壊して本堂に侵入。厨子(ずし)を開けると、ふくよかな顔つきの仏像があった。室町時代の寄せ木造りで高さ1メートル。「重かった。子どもぐらいはゆうにあった」。慎重に車に運び、山を下った。

 県内の古美術オークションの主催者から「目玉がほしい」と度々求められていた。自身も古美術商を営んでいたが、借金があり、売れるものが欲しかった。過疎化で檀家(だんか)が減り、廃寺を決めた住職から仏像の引き取りを依頼されたのを思い出し、人気のない寺なら盗みやすいと考えた。古美術仲間を誘い、盗みを繰り返すようになった。

 千手観音像を目玉として持ち込…

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