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(15日、高校野球 レジェンド始球式)

 年齢を感じさせない力強い1球に、スタンドからどよめきが起きた。安仁屋宗八さん(73)はホッとした表情を見せると、深々と一礼した。「緊張せんつもりでいたけど、いざプレーボールと言われたら震えた。8月15日に甲子園のマウンドに立てた。幸せです」。激戦地の沖縄で育ち、プロ野球では、被爆地の広島で長くプレーした。終戦の日。特別な思いがこみ上げてきた。

 戦時中の1944年に生まれ、62年の第44回大会に沖縄(現沖縄尚学)のエースとして甲子園のマウンドに立った。本土復帰の前で、パスポートがなければ来られなかった時代だ。「うれしさの半面、きつさもあった。食事もあわなかった」

 あれから56年。「恥ずかしい投球はできない」と自宅近くの橋の下で壁当てをし、肩を作って始球式に臨んだ。大観衆で埋まった甲子園に来て、感じた。「100回も続く大会。日本がそれだけ平和になったということ。1年でも2年でも長く続いてほしい」(山口裕起)

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