拡大する写真・図版 男児が見つかった沢=2018年8月15日午後2時6分、山口県周防大島町、長沢幹城撮影

[PR]

 山口県周防大島町で保護された藤本理稀(よしき)ちゃん(2)は、行方不明だった3日間をどのように過ごしたのか。発見された山の中の沢などを、記者がたどった。

 路面が舗装されていない道を外れ、右手の雑木林に入り込む。林の中をそのまま数十メートル進むと、岩がごろごろある沢にたどり着いた。ちょろちょろとした流れは深さ5センチ程度。ここで見つかった理稀ちゃんは、こけむした岩に座って素足を水につけていたらしい。岩の下付近には、子どもの足跡らしきものが残っているのが確認できた。

 沢の水は透明で冷たかった。周囲は木々で日差しが遮られて薄暗く、時折涼しい風が吹き抜ける。ここで一人で夜を明かすのは、どんなに心細いことだったろうか。

 県警柳井署によると、理稀ちゃんが行方不明になったのは12日午前10時半ごろ。祖父と兄と3人で海に向かう途中、曽祖父宅から100メートルほど歩いたところで1人で家に引き返した。理稀ちゃんが家から20メートルほどのところまで行ったのを祖父が確認したのを最後に、行方がわからなくなった。

 最後に目撃された地点からは、発見された雑木林がある山に向かって上り坂が続く。幅は車1台がやっと通れるほど。途中からは路面の舗装も無くなり、落ち葉や泥が足に絡みつく。道の両脇には果樹が植えられた茂みや草地の合間に数軒の住宅があった。草の茂った傾斜地になっている場所もある。理稀ちゃんは曽祖父宅に向かわず、この坂道を進んでしまったとみられている。