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(16日、高校野球 レジェンド始球式)

 60年前の同じ8月16日、徳島商の板東英二さん(78)は第40回大会の準々決勝で延長十八回を投げた。「興奮状態でよく覚えてませんが、ナイターになって照明が明るかった記憶はあります」。魚津(富山)の村椿輝雄投手と「0」を18個ずつ並べ、初の引き分け再試合に。1大会83奪三振は今も大会記録だ。

 「今と違って試合中は静かでね。沈黙の中、キャッチャーミットの音がパーンッと響いて調子に乗っていった」。大会前から剛腕ぶりは評判だった。再試合の規定も、この人が四国大会で連投したことがきっかけだ。

 今年から延長タイブレーク制が採用された。「気温が上がってますからね。選手のためにはいいことだと思います」。一方で変わってほしくないものもある。「勝っても負けても人生の糧を得られる。机上では教えられないことです」

 大きく振りかぶって投じた1球は捕手の手前でワンバウンドしたが、78歳の力強い球筋にスタンドは沸いた。報徳学園の先発投手に声をかけ、名残惜しそうにマウンドを降りた。(編集委員・安藤嘉浩)

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