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 群馬県の防災ヘリコプター「はるな」が墜落し、乗員9人全員が死亡した事故で、国土交通省は16日、県が実際とは異なる飛行計画を国に提出していたことを明らかにした。ヘリが戻っていないのに「到着した」と事実と異なる報告もしていたという。航空法違反にあたり、捜索の遅れにつながった可能性があるとして、国交省は同日、群馬県に詳しい原因の調査と再発防止を求める行政指導をした。

 国交省などによると、ヘリは10日朝に前橋市のヘリポートを離陸し、同県長野原町の西吾妻福祉病院にいったん着陸して消防本部の5人を乗せて再度離陸。登山道を視察し、再び同病院に立ち寄ってヘリポートに戻る予定だった。しかし、事前に国に出した飛行計画には病院を経由する予定を記していなかった。

 ヘリは着陸のたびに国に報告する義務がある。予定から30分経って報告がなければ捜索手続きが始まる。今回、視察を終えて病院に着陸する予定の時刻が提出されていれば、その30分後には対応が始まった計算となり「あと47分早く捜索を始められた」(国交省幹部)という。また県は午前11時19分の時点で、ヘリポートに機体が戻っていないのに「到着した」と国に報告していた。

 県は16日夕、緊急の記者会見を開き、横室光良・危機管理監らが陳謝。飛行計画の提出と到着通知は、県からヘリの業務を委託されていた東邦航空(本社・東京)から県防災航空隊に派遣されている社員が行ったという。同社の有吉衛・運航部長は「過去にも実際と違う飛行計画を出したことがある」とした上で「現在社内で調査している」と答えた。横室管理監は「重く受け止めている。東邦航空からの報告を待ちたい」と述べた。