「生まれる」「忘年会が…」 離婚へ向かう怒りの始まり

有料記事父親のモヤモヤ

山本恭介 高橋健次郎
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 「妻の代わりにやっている、という意識にイラッとする」「『ワンオペ』という文字を見るだけで涙が出る」――。父親として出産準備や家事、育児に悩む3人の記者の経験を今年6月、朝日新聞生活面に掲載したところ、夫への怒りや諦めに加え、悲しみに満ちた反響もいただきました。その中で、出産時のある出来事が尾を引き、夫に離婚を言い渡した女性の例を紹介します。

 「あれが始まり。私は絶対忘れないし、今でも怒りがこみ上げる」

 名古屋市に住む公務員の女性(43)は、高校3年の長男を出産した18年ほど前の出来事を今でも忘れない。

 出産を間近に控えた12月の金曜日。医師に「いつ生まれてもおかしくない」と説明を受け、出産準備を始めた。その夜、夫(45)は忘年会。状況を伝えようと1次会が終わった頃に電話をかけた。電話からはカラオケにいるような騒がしい音が聞こえてきた。

 女性「早く帰ってきてほしい」

 夫「忘年会だし、上司がいるから無理」

 女性「生まれるって言っているでしょ!」

 電話は一方的に切られ、その…

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