拡大する写真・図版 ガザ地区に今夏、お目見えした人工波を起こせるプール=2018年8月14日、渡辺丘撮影

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 中東のパレスチナ自治区ガザ地区に今夏、人工の波を起こせる屋外プールがお目見えした。同地区は地中海に面するが、電力不足で下水処理施設が稼働せず、汚染されたビーチは遊泳を禁止されており、プールには涼を求める人々が押し寄せている。

 14日、プールに人工の波がしぶきを上げると、子どもたちの歓声が上がった。同地区ガザ市の遊園地「シャルムパーク」がこのプールを開設したのは今年6月。平日は約600人、週末は約1千人が訪れる。

 だが、遊園地の経営者は「集客は期待以下」と肩を落とす。ガザ地区は4割を超す高失業率で、大人15シェケル(約450円)、子ども5~10シェケル(約150~300円)の入場料が払えない住民も多いためだ。

 ガザ地区はイスラエルによる封鎖で燃料不足が深刻になっており、電気は1日約4時間しか使えない。地元行政当局によると、排水を海に垂れ流す量は今年、過去10年で最悪レベルだ。海岸の約8割が汚染され、遊泳客の健康被害の報告が相次いでいるという。

 プールから約1・5キロ離れた海岸のビーチも、汚染で遊泳を禁じられている。だが、連日多くの住民でにぎわっている。ガザ市の建設業アブダラ・コザットさん(20)は「汚染は知っているが、週1回は必ずここに来ている。暑い夏、私たちが無料で楽しめるのは海水浴しかない」と話した。(ガザ市=渡辺丘)