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 気に入らない報道機関を「人民の敵」と批判するトランプ米大統領に対抗し、米国の多くの新聞が16日、報道の自由を訴える社説を一斉に掲げた。有力紙ボストン・グローブの呼びかけで、週刊紙など今後の掲載も含めて380紙以上が賛同しているという。

 物議を醸す発言の多いトランプ氏は批判を受けるのを嫌い、ニューヨーク・タイムズやCNNなど自身を批判的に報じる報道機関に「フェイク(偽)ニュース」とのレッテルを貼り、攻撃してきた。トランプ氏は支持者向けの集会でもメディア批判を繰り返し、こうした主張は支持者の間に浸透していた。

 報道機関側は過剰なメディア攻撃は記者への危害などにつながる可能性があると警戒を強めており、今回の動きにつながった。社説は各社がそれぞれ書き、ボストン・グローブ紙は「米国の偉大さは、権力者に対して真実を突きつける自由な報道機関に支えられている」などと訴えた。

 一斉社説の取り組みにはニューヨーク・タイムズやダラス・モーニング・ニュース、デンバー・ポストなどのほか、小規模紙も多数加わった。ただ、新聞が連携してトランプ氏包囲網を築けば「不正直な報道機関に不当に批判されている」と訴えるトランプ氏の思うつぼ、との見方もある。ワシントン・ポストは「組織的取り組みには加わらない」と同調しなかった。

 トランプ氏は16日朝、「(ボストン)グローブがほかの新聞となれ合いをしている」「フェイクニュースのメディアは野党だ。我々の偉大な国にとってとても良くない。だが我々は勝ちつつある」などとツイートした。一方、米上院は同日、「報道機関は人民の敵ではない」などとする決議を全会一致で採択した。(ニューヨーク=鵜飼啓)