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【アピタル+】患者を生きる・足首の捻挫(内返し捻挫、軟骨剝離)

 スポーツをする人の多くが経験する足首の捻挫。子どもの場合には、成長期特有の症状が起きるので特に注意が必要だ。日本足の外科学会理事長で、独協医科大埼玉医療センター整形外科教授の大関覚さん(63)に聞いた。

軟骨の剝離、X線検査では見つけにくい

 Q 子どもの足首の捻挫では、どんな注意点がありますか。

 A 捻挫で最も多いのは足首を内側にひねり、外くるぶしを痛める「内返し捻挫」です。子どもで注意すべきは、「エックス線検査で見て骨折していないから大丈夫」では済まない点です。

 外くるぶしの骨と靱帯(じんたい)がくっついている所は軟骨の層が厚いので、成長期の子どもだと、強い衝撃で軟骨の一部がはがれてしまうことがあります。裂離骨折や剝離(はくり)骨折と呼ばれ、エックス線検査では見えにくいです。

 この時はがれる場所は、足首の関節を動かす三つの靱帯が付着している、とても重要な部分です。

「なんだか変だ」を放置しない

 Q どんな症状がありますか。

 A 腫れや痛みが長引いている時は、この裂離骨折(剝離骨折)を疑いましょう。また、はがれた骨片のせいで関節が緩くなり、捻挫しやすくなっています。

 極端な不安定性や痛みがないまま平気で運動を続けられる人もいます。それでも、踏ん張りがきかなかったり、ふくらはぎの外側の筋肉が疲れやすくなったり、「なんだか変だ」という感覚が出てきます。そのままにしていると、関節が炎症を起こしたり軟骨が傷んだりして、やはり痛みが出てきます。

 ただ、長い経過の中で体質だと思ってしまい、そのまま大人になっている人もいます。

 Q どうすればわかりますか。

 A エックス線では見つけにくいことがあるので、受診した際はエコー(超音波)検査でしっかり見てもらいましょう。初期にきちんと固定することが大切なので、早い診断が必要です。

治療はギプスで固定、状況に応じて手術も

 Q どのように治療しますか。

 まずエコーで関節の状態をよく観察しながら、ギプスで圧迫、固定し、はがれた骨が自然にくっつくかどうかを2~3週間かけて見ていきます。

 受傷のパターンなどによってつかないこともあるので、その場合は手術も選択肢になります。骨片をもとの骨の所に戻して止める方法と、骨片を取り除いて靱帯を骨に接着する方法があります。

 最近は関節鏡視下手術が非常に進歩しています。足にあけた小さな穴から関節鏡を入れて手術を行うもので、切開より負担を少なくできます。

 手術するかどうかは、痛みの様子や、患者さんが将来どういうスポーツ活動をしたいかにもよります。関節鏡視下手術なら1カ月くらいで走れるようになるので、どうしても出なければいけない試合があるなど、状況に応じて医師と相談していきましょう。

 

 ◇ご意見・体験は、氏名と連絡先を明記のうえ、iryo-k@asahi.comメールするへお寄せください。

<アピタル:患者を生きる・スポーツ>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru/(松本千聖)