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 第100回全国高校野球選手権記念大会で、準々決勝に進出した金足農(秋田)。その快進撃は全国の農林業系の学校関係者からも注目の的だ。

 アルプススタンドでは「農業つながり」の輪が広がっている。金足農の吹奏楽部は約25人だが、これまでの試合には、農業を学ぶ「人と自然科」がある兵庫県立有馬高の吹奏楽部約40人が駆けつけ、力を合わせて演奏している。同科の釜渕教実(たかみ)さん(1年)は「部活より授業で育てている野菜の世話を優先しなければならないこともある。農業と部活を両立し、甲子園まで来るなんてすごくて励みになる」と18日もアルプスからパーカッションでもり立てる。

 春夏6度の出場経験がある日田林工(大分)のOBで、三潴(みずま)(福岡)の監督を務める名嶋正信さん(55)は金足農の試合を録画もして応援してきた。農林業系の高校は泊まり込みの実習で数日間練習ができなくなるなど共通のハンディを抱え、仲間意識が強いという。「あんな雪深い所からハンディを乗り越えてよく頑張ってくれた」と喜ぶ。

 名嶋さんが高校生の時は地元の木工所の従業員らが試合の応援に駆けつけてくれた。「いずれは自分たちの同業者になってくれる僕らがかわいかったんでしょう。農林業の後継者不足が言われる中、金足農の活躍は関係者の希望になったと思います」

 農林業系の高校では、過去には嘉義農林(台湾)が夏の第17回大会で準優勝。御所実(奈良)、新発田農(新潟)、西条農(広島)などが出場している。金足農は初めて深紅の大優勝旗をつかむ農業高校となるか――。(国方萌乃)