拡大する写真・図版 オーストリア南部ガムリッツで18日、実業家の男性との結婚式を開いたオーストリアのクナイスル外相(左)を祝福するロシアのプーチン大統領=AP

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 ドイツのメルケル首相とロシアのプーチン大統領が18日、ベルリン郊外で会談した。5月のロシア・ソチに続く2人の会談で、シリア内戦、イラン核問題、ウクライナ東部紛争、エネルギー問題などを議題とした。トランプ米政権と欧州連合(EU)の関係が冷え込むなかで、欧州の盟主ドイツがロシアと協調する姿勢を改めて印象づけた。

 両首脳は会談前に記者会見し、メルケル氏はウクライナとシリアに力点を置いた。ウクライナについて「学校が始まる(9月初め)までに停戦が実現することを願う」と語り、シリアをめぐっては内戦後の憲法改正の草案作りを目指す「デミストゥラ国連特使の仕事を支えたい」とした。

 いずれも欧州の安定にとって重要で、解決にはロシアの協力が不可欠な課題だ。メルケル氏は「対立するテーマにおいても、話し合いを通じて解決策を見つけていける」と強調した。

 プーチン氏はシリア内戦をめぐり、「トルコなどにいる難民は欧州の潜在的な負担。帰れるようにした方がいい」と述べ、難民受け入れで揺れる欧州への協力姿勢をアピールした。

 プーチン氏が会見で力点を置いたのが、ロシアがドイツと推進する天然ガスのパイプライン増設計画「ノルド・ストリーム2」だ。

 米国が反対していることを念頭に「ロシアから欧州へのガスの中継リスクを最小限にする。純粋な経済プロジェクトだ」と政治的な意図はないと強調した。

 ロシアはEUとウクライナ危機などで対立を深め、EUは米国とともに対ロシア制裁を科している。だが、米国の高関税措置やイラン核合意離脱などで米欧の関係が冷えており、ロシアには好機に映る。欧州とロシアの立場が近くなることが増え、プーチン氏も欧州への接近姿勢が目立つ。

 今回、プーチン氏はドイツへ向かう途中でオーストリアに寄り、クナイスル外相の結婚式に出席。外相とダンスも踊った。7月からEU議長国を務める同国に特段の配慮をした格好だ。(ウィーン=吉武祐、モスクワ=中川仁樹)