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時紀行

 米国の発明家トーマス・エジソン(1847~1931)は白熱電球の実用化に際し、点灯時間を長くすることに苦労した。カギは電球の中で光るフィラメントの素材。数千種類の素材を試した結果、たどり着いたのが京都府八幡市産の真竹だった。長時間点灯を可能にした「八幡の真竹」とエジソンの縁(えにし)は、今に続く交流を紡ぎ出してゆく。

 野球ボールほどの電球にオレンジ色の柔らかな光がともった。思いのほか明るい。米国の発明家トーマス・エジソンが実用化した、竹をフィラメントに使った白熱電球のレプリカだ。京都府八幡市の男山(標高約142メートル)の山頂に鎮座する石清水八幡宮に5個残る。

 フィラメントは、電流を通すと電球の中で光る細い線。エジソンは、この素材に植物繊維など、実に6千種類を試したが数十時間しか点灯しない。たまたま竹を試したら結果は上々。最適の竹を求めて世界中に使者を派遣し、1880年に男山周辺の真竹(まだけ)を入手した。実験すると1千時間も輝き続けた。その後10年間、エジソンの会社は八幡の真竹を買い続けた。

 「真竹は堅く丈夫で、刀剣の留め具の目釘など竹細工に用いられた。フィラメントにも向いていたのでは」と児玉亮権禰宜(ごんねぎ、44)。電球は、生誕150年を機に東京の会社が八幡の真竹で復元、寄贈した。境内にはエジソンの功績をたたえる幅6・3メートル、高さ1・7メートルの黒御影石の記念碑も立つ。毎年エジソンの命日と誕生日に、電気事業者や米国総領事らが碑の前で記念祭を営む。児玉さんはいう。「この2日は日の丸と星条旗を掲げます。星条旗があがる神社は全国でここだけでしょう」

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