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 かつて独自の共同生産と集団生活で世界に知られたイスラエルのキブツだが、近年はすっかり姿を変え、注目されている。人気の秘密を現地に探った。(ベルシェバ=渡辺丘)

 〈キブツ〉

 ヘブライ語で「集団」の意味。メンバーは敷地内の農場や牧場、工場で働き、利益を共有する。1910年に北部のガリラヤ湖畔に初めて建設された。1948年のイスラエル建国にあたり国土の境界付近に多く設けられ、ユダヤ人の「民族的郷土」をつくる入植活動を担った。かつては農業共同体の性格が強かったが、今は収入の約7割を工業が占める。

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食料自給を支える

 イスラエル南部ベルシェバに近いネゲブ砂漠周辺に、緑の農地が広がっている。油が化粧品に使われるホホバという植物だ。地面には黒いチューブが張り巡らされていた。小さな穴から水と肥料をポタポタと与える「点滴灌漑(かんがい)」。水不足に対応した技術だ。

 この分野で世界最大手のネタフィム社は近くのキブツ・ハツェリム発祥だ。国土の半分が砂漠で雨がほとんど降らないが、こうした高い農業技術が9割を超す食料自給率を支えている。

 1965年創業の同社は日本を含む各国に展開。従業員数は約4500人、年間売上高は10億ドル近くに達する。キブツのメンバー約500人のうち約100人が同社の事業所や工場に勤務。給料は全額がキブツに差し出され、メンバーに「個人予算」として均等に分けられる。好調時にはメンバー全員にボーナスが配られ、昨年は1人1万5千シェケル(約45万円)に上った。兵役を終えた若者には大学進学の奨学金も支給する。

 物価が日本より高いイスラエルで暮らしやすさは魅力だ。キブツには新たに住みたい希望者が相次いでいるが、自然豊かで静かな環境を保つため、年間2~3家族しか受け入れず、20組以上が待機リストにある。

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