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 野球をこよなく愛する金足農“OG”がいる。2000年に卒業した元マネジャーの菅原(旧姓鈴木)有紀子(あきこ)さん(37)。「育ててもらった野球に恩返しをしたい」と世界に野球を広める活動を続け、国際公式記録員になろうと奮闘中だ。後輩の大躍進に心を躍らせ、20日は今大会3回目の甲子園に足を運び、観客席から声援を送った。

 菅原さんは1998年夏、99年春にチームが甲子園に出場し、アルプス席で仲間を応援した。その時は甲子園で1勝もできなかった。ただ、仲間と甲子園を本気で目指す楽しさ、絶対に最後まであきらめない精神を学び、野球が大好きになった。

 卒業後は世界へ飛び出した。「世界中の野球を見たい」と、米国、キューバ、アフリカなどで野球を観戦。タンザニアでは高校世代の野球大会「第1回タンザニア甲子園」が開かれる情報を聞き、駆けつけた。主催する日本人らに頼まれ、急きょ、公式記録をつけることに。「アフリカと日本の野球のレベルは全然違うけど、日本のように大きな大会になってほしい」と願いをこめながら、全試合のスコアを書いた。金足農マネジャー時代に見ていた選手の頑張る姿と変わらないアフリカ球児の熱意に感銘を受け、第1回大会から3大会連続でタンザニアまで通って、記録を残してきた。

 そのつながりで、18歳以下ワールドカップに挑戦するタンザニア代表のマネジャーになり、選手たちとバスで19時間かけてケニアまで行き、アフリカ予選に参加したことも。キャッチボールの相手を務めるなど、練習相手にもなった。ほかにも、高校OBが再び甲子園を目指す「マスターズ甲子園」の金足農チームの発起人になり、広く声をかけて人を集めた。「自分が野球のためにできることがあるなら」と国際公式記録員になるための研修中で、9月に開幕する第12回U18(18歳以下)アジア選手権大会(宮崎市)に参加する。

 この日、母校は一回に先制。菅原さんは後輩の活躍に「本当に最高に楽しませてもらった。決勝も自分たちらしい野球を見せてほしい」。高校時代と同じように笑顔でアルプスから拍手を送った。(大西史恭